新人ダンスインストラクターが陥りがちな間違った教え方 10選(後編)

ストリートダンス

今回は、前回に続き新人ダンスインストラクターに向けた陥りがちな間違った教え方10選の後編です!

それでは早速見ていきましょう。レッツゴーヽ( ̄д ̄)ノ=3=3=3

⑥言語指導と感覚指導の使い分けがあやふや

これまで1ダンサーとして踊る練習に励んできた新人インストラクターの多くが、レッスンで無意識に行なってしまうことがあります。

それが言語指導と感覚指導がごちゃごちゃになることです。

新人に限らず歴が長い先生でもこんな人はいませんか?

「この時にウンッ、パーッ、で、シュー、トン、トン」

一般人がこのセリフを見てもイマイチ分かりませんが、ダンサーならきっとその情景がありありと目に浮かびますよね。

先に述べておくと、これ自体を悪いというつもりはありません。

なんならボク自身もいまだにこの言い方をするときはよくあります。

ただし、注意しなければいけないのはこのような感覚表現が生徒さんに通用するのは言葉がまだ発育途中の幼児、もしくはある程度のダンス経験者に限ります。

そう。これからダンスを習おうとしている生徒さんにはこの言葉は「すみません、よく分かりません(Siri)」なのです。

  • 言語指導:「右足を踏み込むときはつま先から。こうするとより不思議な動きに見えます」といった何を・どうするを具体的な言葉にして説明する
  • 感覚指導:「水が流れるように」「シュッ!と」といった相手にイメージさせるような言葉がけや、ボディータッチを用いて理解を促す

この2つの指導法を意識的に使い分けてみましょう。

⑦反復練習する時間を設けない

いわゆる「優等生ダンサー」にありがちなのですが(あ、あと勘違いしてイキってしまってる方も)、レッスン中にAを説明したら、そのあとすぐにBの説明を始めてしまうパターンです。

ここで絶対に忘れないでほしいのが、自分ができることが他人もできるとは限らないということです。

自分からすればこんなもの1回説明すれば十分だろうとか、あるいは生徒さんの気持ちを考えると同じことを何回も練習させたらつまらないんじゃないか?という気遣いから、反復練習を省いてしまう新人の先生がいます。

しかし生徒側としては、覚えたてのステップなどができるようになって、そのできることを先生に見てもらう時間は一種の優越感を覚え、とても楽しいものです。

しかも反復練習する時間のメリットは他にもあって、それは「生徒さん達の習熟度が均一になっていく」ことです。

当然と言えば当然のことなのですが、同じクラスにいる生徒さん達が全員一定のレベルに到達することによって、先生側は教えやすくなり、生徒側は(すでに出来ていた人もようやく最後にできるようになった人も)熱量をキープできるという良い結果を生みます。

反復練習を侮るなかれ!

⑧生徒さんができるようになっているのに本人にそれを伝えていない

皆さんはアルバイトや部活など、これまで感覚で覚えることを伴う活動を何かしら経験してきたと思います。

そこで新しいことを先輩や上司から教わった時に、今の自分が合格ラインを超えているのかどうかを教えてくれないと、とても困りませんか?

それはあなたのダンスレッスンに来てくださっている生徒さんも同じ気持ちのはず。

自分が踊っている目の前を先生は何度も通っているし、絶対に見てくれているはずなのに特に何もレスポンスがなかったら、生徒さんによってはだんだん「あれ、なんか変なのかな?」と不安になってくることもあります。

ボクが中学生で生徒だった時に、自分にそんなに自信がなかったので何度もそう感じた経験があります。

だから大人も子供も関係なく先生自身の合格ラインを満たしているのを見たら、その場で「そう!」とか「完璧!!」と褒めてあげましょう。

誰しも承認欲求を満たしてもらうのは嬉しいものです。

ちなみに、褒めるときは100%振り切るのがコツ。

日常会話トーンの「そうそう」では、悪くないですがもったいない。

どんな上手い人でも「完璧」なんてそもそも有り得ないのです。完璧とはこれ以上手の入れようがない様ですから、そんなダンスの神様みたいな人はいません。(みんな向上心を持ってるからね)

だからこそ、比喩表現としてオーバーに完璧だね!と褒めてあげると生徒さんの目の色も変わるのです。

⑨説明するたびに言うことが変わる

ボクにぐさりと刺さるのがコレ。笑

先生といえど、いや、先生だからこそ日々のダンスに対する追求をするもの。

ですが先生になりたてはまだ自分の中で理論が確立しておらず、感覚的にしか理解していないことも沢山あります。

そしてその状態で生徒に教えるとなると、同じ動きでもレッスン中に説明するたびに言うことが二転三転することがあります。

特に問題なのは、先生自身がそのことに自覚がないケースです。

生徒からしたらたまったもんじゃない。

「さっきは骨盤を右上から落とすって言ってたのに、今の説明は右横からって言ってるゾ。どっちだよ!!」

ダンスはそもそも感覚的なもの。

それをあえて教室として「教えます」と謳っている以上、体系的に、一貫した説明ができなければレッスン料金に見合う価値がありません。

これに関しては新人の先生に限らず意外と多くの先生に当てはまることかもしれません。

普段の自主練をするときから感覚をアウトプットする練習をしておきましょう

⑩生徒さんがレッスンを受講してくれることに対する感謝を忘れる

これに関してはボクの感覚的な話になりますが、おそらく多くの先生が次のような過程を歩んでいると考えます。

  1. 【初期】純粋に自分の生徒さんということに感動して、受講してくれることに感謝する
  2. 【マンネリ期】レッスンに生徒さんが来る光景を見慣れ、当然のこととして受け入れる
  3. 【成熟期】一周回ってあらゆる視点から物事を見ることができるようになり、改めて生徒さんに感謝するようになる

基本的によほどの先生じゃなければ「おはようございます」「お疲れ様でした」などと、生徒さんに声かけするのをサボることはないでしょう。

しかし、生徒さんが帰り際に「お疲れ様でした」「ありがとうございました」とお声がけされたとき、あなたは何と言って返していますか?

きっと多くの方が「はい、お疲れ様でした〜」と言っているのではないでしょうか?

ボクは礼儀作法のプロではないですが、おそらくそれで全く問題ないでしょう。

しかし、ボク自身は講師歴5年を過ぎた頃から「お疲れ様でした」という返答から「ありがとうございました」に変えました。

ほんの小さなことですが、ボクの中で一周回って改めて生徒さんに感謝の気持ちが湧いてきて自然と「こちらこそ(受講してくださって)ありがとうございました」と言うようになりました。

先生だからといって偉いと言うわけではありません。

自分はこのことに気が付けて本当に良かったと思っています。

そんなの当たり前だよ、と思って読まれた先生はさすがです。素晴らしい。

だけど今初めてこの考えを知ったという方は、ぜひ今一度先生という職業がどうやって成り立っているのかを考えてみてはいかがでしょうか◎

まとめ

いかがでしたか?

前編から始まり、全部で10の「間違った教え方」を紹介してきました。

文章をできるだけコンパクトにするため、補足すべき部分もたくさんあります。ですが新人インストラクターにとってはある程度有益な内容かと思いますので、良ければまた読み返してご自身のレッスン運営の参考にしていただけたら幸いです。

ではまた👋

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